実績紹介

生産プロファイルの妥当性の検討ならびに施設に関わるプロジェクトリスクの評価

感度分析結果の例(可採埋蔵量、 Aガス田)

国・地域 :
オーストラリア

◆概要
対象はオーストラリア地域のガス田であり、生産履歴のないもの(Aガス田)、生産履歴のあるもの(Bガス田)の両者のスタディを行いました。

◆地質モデルのレビュー
地質モデルおよびその関連資料をレビューしてフィールドの概要を纏めました。地質モデルにはSequential Indicator Simulation(SIS)によるファシスモデル、Sequential Gaussian Simulation(SGS)による孔隙率モデル、浸透率モデルなどが含まれます。さらに地質モデルはベースとなるモデルだけでなく埋蔵量の不確実性を考慮したLow Caseモデル、High Caseモデルも作成されています。これらの地質モデルと開発計画書(FDP)に記載されている原始埋蔵量との整合性を確認しました。

◆生産プロファイルの妥当性の検討
この検討を行うために、地質モデルをもとに貯留層シミュレーションモデルを作成しました。
Aガス田ではコンデンセートの産出量を圧力との関係から求めることとして、シミュレーションでは乾性ガスと水の流動を計算しました。このシミュレーションによって、将来に生産されるガス、コンデンセートの挙動を予測し、ガスの販売計画の妥当性を判断しました。また、可採埋蔵量の感度分析を実施して生産量予測の不確実性を評価しました。その結果、このガス田では貯留層の構造、岩相の与える影響が大きいことが判明し、これらを精度良く推定することが重要であるとの結論が得られています。
Bガス田では炭化水素成分ごとに貯留層内流動を計算し、坑井から産出されるコンデンセート、LPGのレートもプラントテーブル(流体の炭化水素成分ごとの比を決定するためのテーブル)を入力して計算しました。コンデンセート、LPG、水の生産履歴を再現できるようにヒストリーマッチングを行った後、将来の生産挙動予測を行いました。その結果として、オペレータが予測している販売ガス、コンデンセート、LPG量とは異なるものの同様の傾向を示す結果が得られました。これによりオペレータの示している予測の妥当性が示されたことになります。

◆プロジェクトリスクの評価
Aガス田は生産が開始されていない段階であるので、海洋生産施設、海底パイプラインおよび陸上処理施設に関わる技術的リスクの評価、つまり設備のデザイン、建設プロジェクトスケジュールリスク、建設プロジェクトコストのそれぞれのレビューを行い問題点とリスクを抽出しました。
Bガス田は既に生産履歴があり、プロジェクトリスクとして考えられるのは操業に関わるものです。今後の生産予測と設備容量関係、設備の設計寿命との関係、操業コストについて検討を行いました。

本プロジェクトでは地質・貯留層分野から生産設備・環境分野までワンストップで請け負うことできる弊社ならではの特徴が大きく生かされており、横断的な議論を通して各分野の技術や経験を集約することで各々のサービスをより高い品質で提供することができました。

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