実績紹介

CO2-EOR/CCS関連プロジェクト

図1. 油層内の油飽和率の変化(セル色は油飽和率を表現し、赤で最大)

図2. CO2-WAGケースと単純なWater-floodケースの
フィールド生産挙動比較

顧客名  :
日本国内石油開発会社
国・地域 :
東南アジア
実施年  :
2008年~2009年

近年、CO2-EOR/CCSという分野が注目されていますが、これは石油開発分野においてEOR(Enhanced Oil Recovery:原油増進回収)法として実施されるCO2攻法と、CO2排出量削減のために考案されたCCS(Carbon Capture and Storage:CO2回収・貯留)を同時に行うプロセスです。これらの何れに関しても、当社は幅広く様々な貯留層シミュレーションスタディの経験を有しています。

各種EORの貯留層シミュレーションは、数値シミュレーションとして難易度の高いものです。EORの場合、原油の回収率向上のため、油層内で本来自然には生じない現象を引き起こし、貯留岩-多相流体系の物理的特性を変化させることが多いので、そのプロセスの数学モデルは複雑であり、数値解法の見地からも求解が難しくなります。

本プロジェクトは、既に開発・生産のかなり進んだ油層に対するCO2圧入のスタディで、予測期間内にCO2と水の交互圧入を実施する(CO2-WAG)シミュレーションを行いました。その結果、単純な水圧入(Water-flood)では取り残されてしまうような油がCO2圧入により効率よく掃攻されていることが確認され、それに伴い原油生産のプラトー期間が伸び、より多くの原油を回収ができることが示唆されました。
これらのシミュレーションの実施および結果の解釈や考察には、油層工学だけではなく、物理・化学現象や数値解析など幅広い分野における深い知識や経験が必要であり、シミュレータ開発からシミュレーションスタディまで行える弊社の高い技術力が活かされたプロジェクトと言えます。

  • エリア別実績一覧へ戻る
  • 世界地図へ戻る
  • 次の案件へ