南スマトラ-西ジャワガスパイプラインプロジェクトの所期の目的は、インドネシア国の国営ガス会社のPT. Perusahaan Gas Negara (Persero) Ltd.(以下「顧客」)が、かねてから計画していたスマトラ島南部パガルデワ・ガス田とジャワ島西部チマンギスを結ぶ総延長約500kmのガスパイプラインを建設する事業にありました。
弊社は、本プロジェクト実施に係わるプロジェクトマネージメント業務を受注し、全体プロジェクト計画、競争参加資格審査、競争入札・総合評価、仮及び本契約、コントラクターが実施する設計、調達、工事監理、契約変更、請求書の照査等を顧客に代わって実施しました。本プロジェクトは以下の契約パッケージに分割されて実施されました。
CP-1 (Contract Package No. 1)
パガルデワ-ラブアン・マリンガイ陸上パイプライン
32インチ口径x総延長約270 km
28インチ口径x総延長4 km
CP-2 (Contract Package No. 2)
ラブアン・マリンガイ-ボジョネガラ海底パイプライン
32インチ口径x総延長約105 km
CP-3 (Contract Package No. 3)
・CP-B(Contract Package for Bojonegara Station)
ボジョネガラガス受渡基地
270 MMSCFD
・CP-3A (Contract Package No. 3A)
ボジョネガラ-チカンデ送ガスパイプライン
24インチ口径x総延長約35 km
・CP-3B (Contract Package No. 3B)
チカンデ‐ビトゥング送ガスパイプライン
24インチ口径x総延長約30 km
CP-4 (Contract Package No. 4)
西ジャワ送ガスパイプライン
24/16インチ口径x総延長約50 km
CP-5 (Contract Package No. 5)
パガルデワ・コンプレッサーステーション
270 MMSCFD、1,050 psig
インドネシア政府が設定した国家エネルギー政策では、石油・天然ガスの生産の拡大を最優先するとともに、国内供給を重視する方針を打ち出しています。しかし、天然ガスの産出地と需要地とが遠く離れていることで国内産の天然ガスの国内供給が遅れているのが実情でした。インドネシア国内の最大の天然ガス需要地はジャワ島(特にジャワ島西部地区)に広がっていますが、天然ガスの産出地はインドネシア国内の諸島に広がって存在しています。インドネシア国内の最大の天然ガス埋蔵量はカリマンタン島ですが、スマトラ島南部にも主要な天然ガス鉱区が存在しています。
インドネシア政府の国家エネルギー政策の一つである天然ガスの国内供給を増やすためには、天然ガス輸送インフラの整備が不可欠であり、本プロジェクトが南スマトラと西ジャワを繋げる幹線となり、西ジャワにおける送ガスパイプラインの整備も本プロジェクトで達成することができました。
特に、顧客であるPGNは本プロジェクトの完成により、安全で信頼性が高く耐久性のある経済的な天然ガス輸送幹線パイプラインと送ガスパイプラインという国家的にも重要な資産を築きあげることができました。
弊社は、本プロジェクト実施のために、800人月の日本人を含めた外国人スタッフ、 1,971 人月のインドネシア人シニアスタッフ、 2,833人月のインドネシア人現場スーパーバイザー、 2,064人月のインドネシア人プロジェクトサポートスタッフを投入しました。
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