実績紹介

メタンハイドレート開発関連業務

図1. MH21-HYDRESの概要 (MH21フェーズ1総括成果報告書より)

図2. ガス産出量のマッチング_第2回陸上産出試験第1冬試験(2007年度) (MH21フェーズ1総括成果報告書より)

図3. 坑内温度・圧力のマッチング_第2回陸上産出試験第1冬試験(2007年度) (MH21フェーズ1総括成果報告書より)

国・地域 :
日本
実施年  :
2002年~

メタンハイドレートは低温高圧の海底や地層中に分布している固体状のガス資源物質で、近年日本周辺海域に広く分布していることが様々な調査・研究から分かってきています。メタンハイドレートを資源として生産する有力な手法として「減圧法」が提唱されていますが、これは従来の石油・ガスの生産手法を応用したもので、油層工学などの知見を基礎としています。弊社は在来型の油・ガス層生産シミュレータの開発実績が豊富にあり、その経験を生かしてメタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(通称:MH21)*で開発を進めている日本独自のメタンハイドレート生産シミュレータ"MH21-HYDRES"の研究開発にも大きく係わっています(図1)。

MH21によりカナダ北西部・マッケンジデルタ(永久凍土地帯)で実施された第2回陸上産出試験(2007年度及び2008年度実施)では、MH21-HYDRESによってガスと水の産出量予測が行われ、そのデータは坑内並びに地表機器の設計、作業指針の作成等に活用され、産出試験の成功に寄与しました。また、第2回陸上産出試験の中間検証、事後検証を行い、ガス・水生産挙動の解析・評価なども行いました。第2回陸上産出試験の第1冬試験については、生産期間が約12.5時間と短く、シミュレータの細部機能を十分に検証するには至りませんでしたが、出砂による坑井周辺地層の浸透率増加及び管内流動における非定常な流体流動を想定して貯留層パラメータを調整することによって、産出試験結果をマッチングシミュレーションにおいてほぼ再現しました(図2及び図3)。

また、MH21により2013年3月に行われた第1回海洋産出試験においては、弊社はメタンハイドレートの貯留層評価作業に係わり、3次元地質モデルの構築、及びMH21-HYDRESによるガス・水生産挙動予測、感度分析等を行いました。試験後の感度分析などで得られた知見をもとに、ガス・水生産レートのマッチングも行いました。得られた結果はより現実に近い貯留層モデルを構築するためにフィードバックされ、将来的には長期挙動の予測に役立てられます。


*メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアムの詳細は公式HP(外部サイト)をご覧ください。

【引用文献】
メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム, フェーズ1総括成果報告書(外部サイト・PDF)

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